2021.08.07

真夜中のいちりん 盛夏のブーケ “涼しく花を束ねる”

花との出会いは、一期一会。

いちりん毎に表情は異なるし、季節によって色味も変わっていきます。

 まだ夜が明けていない市場での花達との出会いには,初恋の様なときめきを感じたりします。そんな花たちとの出会いを求めて歩き回るこの時間が僕は好きです。

今回は盛夏のブーケを束ねてみました。涼しげな花束をお楽しみください。

フローリスト 飯野学

 

花をあつめる。

 

集めたお花は、左下から右に向かって

バラ白(ブルゴーニュ)

バラ薄紫色(ラピスヴェール)

バラ紫色(ブルーミルフィーユ)

上段左から右に向かって、

クレマチス(アラベラ)

ミント

ユーパトリウム

アストランチア(マヨール)。

 

大切なことは、テーマの設定とビビビッとくるお花に出会うこと。

 

ラピスヴェールがとりわけ素敵でしたので、このお花を中心に組み立てます。

 

例えばラベンダー色のお花に合わせてもとても良い。

今回は涼し気にミントや白い小花と合わせたかったので、紫・白・緑で構成していきます。

 

花を束ねる

 

まずは、下処理から。

 

ステムの葉を落とします。向かって左3本が処理前。右3本が処理後

 

束ねる前に、完成品をイメージします。

ラピスヴェールにあわせたブルゴーニュがまぁるく可愛らしい咲き方をしますので、

ブーケロンに仕上げます。

※ブーケロン(Bouquet rond)フランス語で、丸い花束の意味。

ブルゴーニュはナチュラルな咲き方がかわいらしくて、大好きな品種の一つ。ハーブと合わせたブーケも良い。

中心になるラピスヴェールとブルゴーニュを手に取ったら、小花やハーブを添えながら一気に仕上げていきます。

カチッとしすぎず、ナチュラルになりすぎず。

 

花を活かす

 

ブーケを束ねたら、花びんにセット。ナチュラルに束ねたのでデコラティブなモノは避けて、シンプルなガラスのものを用意。

背景のセットペーパーは、深く濃いブルーを選択。ブルーミルフィーユが少しピンク寄りでしたので、ブルーでバランスをとります。

そして足元に青リンゴを散りばめたら完成です。

 

ちょっとしたひと手間を加えることで、イキイキとしてくるでしょう。

 

そんなこんなで出来あがったブーケ。

 

あなたは何を感じますか?

更なる自然を求めて、ヴィーナスラインを目指すも良いし、背景のブルーに触発されて中禅寺湖の青い夕暮れも捨て難い。

僕だったら。。

青リンゴを感じるワインを求めて、中央道を西へと向かいましょうかね?

 

今は遠出ができなけれど、ブーケを眺めながら来るべきツーリングに想いを馳せるのも楽しいひと時です。

 

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Writerこの記事をかいた人

飯野 学

飯野 学

フラワーデザイナー クリエイティブフラワーIINOオフィス代表
「人をもてなす何かをしたい」との想いから、フローリストの世界に入る。小売・市場仲卸で経験を積み、ファッションモデル榊ゆりこ氏主宰のフラワーショップ「bRess」で店長を務める。現在はフラワーデザイナーとして「花を媒体に新しいライフスタイルを提案する」をテーマに、ホテルのエントランスやテレビ番組の装花・雑誌へのブーケ掲載や今田美奈子食卓芸術サロンの講師など多方面で活躍中。世田谷区桜丘のアトリエでは、フラワースクールも開催している。

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