2021.06.12

今夜もアンダーステア   中央線と京王線を結ぶ西武の路線 西武多摩川線に乗って調布近辺探訪

BMWをこよなく愛しながら、電車の魅力に抗う術を知らない男、ライター宗。京王と西武の交わる時空の狭間で彼はいったい何を見たのか? 寂寥と邂逅が交差する珠玉の鉄コラム

ライター宗、今回も曲がり切れずにコースアウト必至です。

小さな旅

 

先日外出した時のことです。

中央線沿線からショールーム最寄りの国領駅まで電車移動が必要だったのですが、こんな経路を使用してみました。

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知る人ぞ知る西武線の路線、西武多摩川線を使う方法です。

西武多摩川線は、中央線の武蔵境駅から南西に進み、是政(これまさ)駅まで接続しています。

線路は上りと下りが同じ線路を走る単線です。日中はだいたい12分間隔で、4両編成の車両が走るのみです。

つい何年か前にダイヤ改正をしていましたが、それがなんと15年ぶりだとかで、ローカル線らしさを感じさせるエピソードにすこし笑ってしまいました。

また路線名や駅名はコロコロと変わっていたようです。

駅名だと「多磨墓地前」は「多磨」に、「北多磨」は「白糸台」へと変更になったのは記憶にあります。

路線名については、祖母は立川の出身で馴染みがあったのか、いつも「是政線」と呼んでいました。

調べてみると、「多摩線」「武蔵境線」という名称だったこともあったようで、1955年に「西武多摩川線」に落ち着いたそうです。

 

邂逅の愛すべき車両たち

 

 

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武蔵境駅の西武多摩川線ホーム。ここを走る西武新101系はBMWのキドニーグリルのように(?)二つに分かれた正面窓をしています

上の写真は西武新101系の復刻塗装バージョン。正面に鼻筋のとおったシンプルな顔つきがいいですよね。私が好きな鉄道車両です。

この新101系車両、西武線のなかでもとりわけの特徴として、全長20m級車体で3ドアの車両です。関東において現在は20m車体といえば、基本は4ドアの時代ですから、珍しいのです。

この車両は西武秩父線開業時に開発した車両で、池袋線の飯能以西や秩父線といった、山岳路線に適した走行性能と、通勤輸送に適した広々とした車内をもつという特徴があります。また冷房を導入し始めたのもこの黄色い車両からで、母親が通学で使っていた時代は「黄色はあたり、赤ははずれ」(赤は黄色の一つ目の世代の車両色)という認識だったそうです。

かつては西武のほぼすべての路線で見られました。10年ほど前に池袋線や新宿線からは撤退し、ローカル線らしからぬ軽快さで、主に多摩川線、たまに西武園線や狭山線を往復しているのを見ることができるのみです。

西武多摩川線を走るこの車両は、様々なカラーリングをしていますが、今回たまたま来たのはイエローとグレーのこの車両。

筆者にとってはとても懐かしい色です。祖母が西武新宿線沿いに住んでいたためよく西武新宿線に乗る機会のあった私が幼少の1990年代ごろは、この車両型式のほとんどがツートン色で走っていました。

2000年ごろには見られなくなってしまいましたが、しばらく経った2010年ごろ2編成だけ復刻塗装され、池袋線で1本と多摩湖線か多摩川線で1本見ることができました。

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2000年ごろまででしたが、西武の3ドア高性能車両は、イエローとグレーのツートンカラーを纏うのが特徴でした。

黄色い電車とともに

黄色い電車に揺られること十数分。

武蔵境駅を出ると

新小金井駅

多磨駅

白糸台駅に到着しました。

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白糸台駅ホーム。左は同じ形式の車両で、赤い旧塗装の車両です。
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3年前に白糸台駅に訪れた時、ホームの床は趣のあるタイルでした
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ホームの床がアスファルトになりました。なってしまいました…

西武新101系のカッコいいポイントは床下機器なんですが、足場がある関係で上手いこと映せませんね

白糸台駅は、ホームの端に踏切があります。

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西武多摩川線の白糸台駅。なんと未だに自動改札機がなく、有人改札です。しかしIC乗車券読み取り機はありました。また私の記憶にもありますが、かつての駅名は北多磨駅という名前でした。
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駅前ロータリーは自転車用サイズですね
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住宅街にポツンと建っています。(写真右の建物)

白糸台駅は京王線の武蔵野台駅と、多磨霊園駅の中間にあります。いずれも600mほどで、乗換には10分ほど要します。

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白糸台から武蔵野台駅までの徒歩経路です

乗り換え途中の写真です。

白糸台駅には出口が西側にしかないため、回り道して西武多摩川線の踏切を渡ります。

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京王線への乗換には一旦道路に出て踏切を渡ります
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白糸台駅を外から。小さなホームと、車庫があります。

住宅街の中を7,8分ほど歩くと、武蔵野台駅が見えてきます。

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畑の奥に見えるのが京王線の武蔵野台駅。いまどき珍しい駅前風景です。
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武蔵野台駅北口。南口は開けた駅前になっているようですが、こちらは畑に面した入口があるだけです。

武蔵野台駅は快速、各駅停車の停車駅です。しかし京王線の快速は平日の下りに一日数本しかない模様で、来る電車はほぼほぼ各駅停車です。そのため、当店最寄りの国領駅へアクセスするのにとても都合がいいという側面もあります。

読者の皆様も、機会があったらぜひご活用ください。

いかがでしたでしょうか?

次回は、軌道修正 BMWの車両紹介、M5 後半シャシー編です。

 

ライター宗の前回の記事

 

 

 

Writerこの記事をかいた人

ライター宗

ライター宗

少年時代は電車オタクにはじまり、現在は車オタクからプロフェッショナルへと順調にステップアップしている。最近、ハリウッドザコシショウに弱い。

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