2022.11.26
セールス吉川の、今夜もオーバーステア!「Z4を考える」
ご覧いただきましてありがとうございます。
読み進めていくほどリヤが流れだす、オーバーステアな魔の新コーナーです。
BMWのディープな魅力をお伝えしていきます。
第1回はZ4を取りあげていきます。
BMW Z4とは.
BMWにはセダンやクーペ,SAVなど様々なシリーズとボディ・バリエーションがあります.
オープンカーが存在しますが,4人乗りのカブリオレ/コンバーチブルと2人乗りのロードスターがあります.
このZ4は販売中のBMWのオープンカーのラインナップで最も全長の短い車であり,最もコンパクトなオープン・モデルです.
そしてロードスターに該当する,唯一のBMWとなっています.
単なる乗車定員の違いで呼び変えているだけではありません.
ロードスターとは,かつて馬車のカテゴリを指す名称でした.
通常の馬車より,引く馬の数が少なくてもいいように,屋根はないか幌付きで軽い馬車であったことが,他の馬車と違ったようです.
自動車においてもシート2つで且つオープン・トップを備えており,小型軽量であるということが条件です.
すなわち運動性能を重視した車種であることが念頭に置かれています.
数多く販売されるモデルではないですが,
ロードスターという括りで見ればZ4は母国ドイツで人気のモデルであり,主要販売国も本国ドイツとなっているのです.
人気国としてはドイツ(26%),米国(17%),中国,イギリス,日本となっており,日本も重要な市場の様です.
確かに,日本にはZ4を特別視してくださる方がとても多いように思います.
この最新Z4は,BMWの中で最もピュアな駆け抜ける歓びを味わえるモデルと言えるでしょう.
車両は最低限の全長,重量に対して全幅は非常に大きくとっており,「タイヤの上の《自由》」という歓びを味わうことができます.
低く構えたドライビングポジションは,後ろに流れるアスファルトも近くに感じるため,スピード感がとてもあります.
車両重心は非常に低く,広い全幅のおかげで車両のロールはなかなか感じることがありません.
Z4がデビューするまで.
先代Z4は2016年8月に生産終了しました.
当時のBMWでは珍しいことに思いましたが,この時点では後継モデルの発表や予定情報もなく在庫車両が1台,1台無くなっていくのを見守るのみでした.
-Freedom on four wheels- というサブタイトルが印象的でした.
2017年8月にBMW Concept Z4が発表され,新世代Z4が販売予定であることが世間に知られることとなりました.
日本でも東京モーターショーにて実車が展示され,私も目で見ることができました.
マット・カラーのオレンジを纏い,他のBMWと一線を画す縦長のヘッドライト,ボンネットとサイドに大きく抉られたような意匠のエアブリーザーと,そこからリヤ・エンドに向かって上に伸びていくプレスラインは羽が生えているかのような印象です.
少しリヤが下がるデザインや,ボンネットがフェンダー上部まで覆う大きさになっていてボンネット上に分割線が見えない点は,先代以前のZモデルにあった意匠で,きちんと引き継がれていました.
新鮮な横長のメッシュ・グリルは,その後多くのモデルに展開され,スポーティーさを示す象徴として今日も続いています.
また何と言ってもサイズ感が今までのZ4とは大きく異なり,全長,特にホイールベースは短く見え,全幅はとても大きいというバランスであり,先代までのボンネットがとても長く優雅な印象から,スポーティーでBMWらしい走りに重きを置いた印象に変更されたというのは一目瞭然でした.
またコンセプト・モデルであるが故でしょうが,幌は無く,ソフト・トップなのかハード・トップなのかは,まだ謎に包まれていました.
過去のBMW ロードスターモデルや,その始祖に当たるBMW 507へのオマージュが随所にちりばめられながら,最新モデルらしいモダンさに溢れているのは,流石といったところでした.
未来的なインテリアについては,多くの客様に「この姿でデビューするのか?」と期待戴いたものでした.
エクステリア・デザインからオレンジが連続している,ツートン・カラーのコーディネートに加え,ヘッドレストとバックレストが一体となったバケットシートのようなスタイリッシュなシートは初出でした. これもその後,複数モデルに採用されることとなります.
コックピット・デザインは現実離れした未来そのものといったデザインで,このまま市販されるとは全く思えませんでした.
また驚いたのは,このコンセプトカーはエンジンも搭載され自走可能であり,カーボンセラミックブレーキまで装備されていたり,専用の端末でライト類を操作できたり,単なるショーモデルに留まらない完成度の高さでした.今思い起こせば,M2をベースにコーチビルドボディを装備したような,ディテールにはそんな部分が垣間見えていた気がします.こういう細かいところに,私はBMWの真髄を見たのでした.
東京モーターショーの最終日には,とてつもない排気音のエンジンをかけ颯爽と会場を後にしたのを,よく覚えています.
2019年3月,Z4デビュー.
BMW Z4市販モデルは2018年11月より生産開始され,日本では2019年3月にデビューしました.
もちろんデザインはConcept Z4の面影を十分に残した形をしていますよね.
生産開始を飾るのはFirst Editionであり,採用されたフローズン・オレンジはConcept Z4を思わせるものでした.
コックピットやシートのデザインも近い形で採用され,コンセプトを守るBMWの矜持を感じます.
発表時のイメージ・カラーはマット・グレーであるフローズン・グレーで,カタログの表紙を飾るのはサンフランシスコ・レッドです.
日本ではフローズン・グレーの通常注文は不可となり,代わりに1年目の限定車として導入されています.
また注目点であったオープン・トップについては,ソフト・トップが採用され軽量化を意識したスポーツカーらしさが追求されています.
エンジンは2L/4気筒エンジンのsDrive20iと3L/6気筒エンジンであるM40iの2種類,いずれも2ペダルの8速ATとの組み合わせのみです.
ロードスターのコンセプトよろしく,車両重量は1490㎏(sDrive20i),1580kg(M40i)となっており,BMWの大きいエンジンが搭載される割には,軽量に収まるボディが特徴です.
そのハンドリングは他にない,短いホイールベースのおかげでクイクイ曲がっていくのを感じやすい,BMWでも特に楽しいハンドリングの車でした.
エンジンサウンドについてはM40iに関してはもちろん,sDrive20iが大出世したといっていい仕上がりになっていました.
他モデルの30iで採用されるB48B20BエンジンがsDrive20iで採用されているのが特筆すべき点であり,特徴的なバブリングまで楽しめます.
幌を開けてトンネルでひと踏みすれば,木霊するサウンドに頬が緩まない方はいないでしょう!
乗り心地は意外によく,新採用のハイドロリック・コンプレッション・ダンパーのおかげで,突き上げ感は角が取れた印象で,流して運転する分には気を使いません.
楽かと問われると,正直に申し上げれば長時間のドライブでは疲れてしまうかもしれないですが,楽しさのほうがはるかに勝ると思います.
Z4の進化.
毎年細部のアップデートを繰り返しながら成熟されてきました.
生産開始から1年を迎えた2019年11月生産モデルからは,Z4 M40i日本仕様おいてパワーアップした直列6気筒エンジンが搭載される変更がありました.これにより,340馬力から387馬力へとパワーアップしています.
2020年7月には,LCIモデルとして生まれ変わった5シリーズに続く形で,iPhoneを車のキーとして使用可能な「デジタルキー」にも対応しました.
生産開始から2年目となる2020年11月モデルは大きな変更はありませんでしたが,ボディ・カラーにグレイシャー・シルバーが追加されています.
生産開始から3年目の2021年3月には日本においてStandardとSport Lineが導入停止され,デザインはM エアロダイナミクス・パッケージ採用のデザインのみとなりました.
2022年5月にはsDrive20iも生産停止され,しばらくはM40iのみが集中生産されています.
Z4をコーディネートするなら
記事執筆時点で選択できる仕様で考えてみました,
エクステリアは雲一つない晴れやかな青い空のようなM ミサノ・ブルーに,
グリルやミラー・カバー,ロール・バーはマット・グレーで統一されています.
インテリアのコニャックのヴァーネスカ・レザーシートは,永い付き合いになってもエイジングが美しいお色です.
個人的な考えですが,オープンカーのシート色はこういった明るめの色がよいと思います.
1つは幌を開けた時の内装の見栄えですが,もう1つには機能的な側面から,黒い色のシートですと太陽光を吸収してシートがかなり熱くなってしまうのが私は気になってしまったからです.
晴れた日にこそ運転したくなるZ4のような車は,ビジュアルだけではなく以上のような側面も考慮して選ぶのがよいと思っています.
Z4の今後.
この2022年11月に,Z4は生産から4年を迎えました.
純粋なICEV(内燃機関車)が,新車で変わらず購入できるのは歓ぶべきことでしょう.
何やら,Z4にも大きな動きがあるようです.
続編記事をお待ちください.
待ちきれない方と,艶消しグレーのZ4が良いなと思った方は店舗でお待ちしております.
セールス吉川がご対応いたします!!
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